毎年、3月11日になると思い出してしまう風景があります。
もう23年前か。
あっという間。
いやそうでもないか。
当時、奇しくもこの日は
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻の入学試験でした。
もうひとつの311。
懐かしみながら、内容のないことを長々と記してみようと思います。
上野公園にある東京藝大校舎の最寄り駅は、当時、京成電鉄の博物館動物園駅でした。
大学のほぼ目の前に駅の入り口がありましたので、当時千葉在住の私はそこから試験会場へ。実はこの駅、各駅停車しか止まらず、しかも4両分のホーム。試験当日の朝、私の乗っていた車両の扉が開き、降りようとするもそこにはホームがない。発信ベルが鳴り出し、やっと事を理解した私は画材を持って隣の車両まで猛ダッシュ。
息切れから始まった試験当日の朝でした。
東京藝大周辺も今のような、喫茶店やバス、ATMなどというものはなく、人通りも少ない場所でした。
たとえ晴れていても、後に思い返すと曇天模様の空に置き換わる、そんな風景でした。
通りを挟み、美術学部と音楽学部の正門は向かい合っていますが、当時は美術学部の門も立派な木製の門でした。今は金属製。東京藝術大学美術館が建っているところには、木造平屋の大きな食堂がありました。
私は息切れしながらその脇を通り、集合場所へ向かったのであります。
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