霧雨が鬱陶しい朝に
野良小猫から抱きつかれたのは
今から一と月ほど前でした。
最後尾の車両のいつもの席に座るためには
のんびりとする時間などない
どこにでもある
日本の朝の
どこにでもない
出来事でした。
ある夜
お酒を買いに近くの坂道を下っていると
おや
ピヨピヨ
ヨチヨチと
あの野良が足下に現れたのでした。
仕方なく酒は諦め
子猫を連れて家に引き返しました。
翌日
連れていった動物病院で
彼女が
いろんな病気と
いろんな生き物を
持っていることを知りましたが
治し
退治し
予防するまでは
面倒をみることにしました。
…
思えば
酒を買いに行く私を
引き返させた彼女なのだから
…
シジミ
と名付けました。
そして
ついさっき。
帰宅し
酒を飲みながら
元野良子猫
シジミと遊んでいたら
油断も隙もありゃしない。
私の
肝臓をはじめとする全部が
40歳になっていました。
知らぬ間に。
生き物ってのは
あっ
という間に
大きくなるものなのでしょう。
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